「突然、息苦しくなった」「原因のない不安に襲われる」
そんな経験から、自分はパニック障害かもしれないと感じていませんか?
実は、パニック障害になりやすい人の傾向があり、性格や生活習慣、年齢や体質などが影響することがわかっています。
この記事では、パニック障害経験者50名を対象にした独自アンケートや、そのご家族・知人を対象したアンケートも交えながら、どんな人が発症しやすいのかを詳しく解説します。
その他にもパニック障害の原因や症状、対処法や接し方をまとめているので、不安を感じている方の参考になれば幸いです。
パニック障害になりやすい人の特徴と性格傾向

パニック障害は誰にでも起こりうる可能性がありますが、発症しやすい人には、性格の傾向や生活習慣、ストレスへの反応の仕方が深く関係していると考えられています。
- 真面目で責任感が強い
- こだわりが強い
- 周囲の目を気にしすぎてしまう
- 感受性が高く、ストレスを感じやすい
- 睡眠不足や疲労が蓄積している
- うつ病になったことがある
真面目で責任感が強い
真面目で責任感の強い人は、周囲から信頼される反面、自分に対して高い理想を求めすぎる傾向があります。
「失敗してはいけない」「人に迷惑をかけたくない」といった思考が強く、無意識のうちにプレッシャーを抱え込んでしまうことも少なくありません。
慢性的な緊張状態から、心身ともにストレスが蓄積した結果、自律神経のバランスが乱れやすくなり、パニック障害の引き金となる可能性があるのです。
「真面目で責任感が強く、つい無理をしてしまうタイプでした」
「完璧を目指すあまり、誰かに頼ることができず、つい一人で抱え込んでしまいがちでした」
独自アンケートの結果でも、「真面目で責任感が強い」という回答は多くみられました。
こだわりが強い
「こだわりが強い」性格は、パニック障害を引き起こしやすい傾向のひとつです。
物事に対して強い理想や完璧を求める気持ちがあると、「こうあるべき」「失敗してはいけない」といった思考に縛られやすくなります。
アンケートでも、こうした完璧主義に悩まされた経験が語られていました。
「完璧主義的な一面があり、物事がうまくいかないと自分を責めることが多かったです」
「発症する前は、比較的神経質で完璧主義な性格だったと思います。常に自分に対して高い期待を持ち、物事がうまくいかないと焦りを感じることが多かったです」
このような強いこだわりは、自分にプレッシャーをかけすぎてしまう原因になります。心にかかる負荷をうまく逃がせず、結果的にパニック発作として現れるケースも少なくありません。
周囲の目を気にしすぎてしまう
「人にどう思われているか」「迷惑をかけていないか」と周囲の目を気にする人は、日常的に強い緊張や不安を感じやすくなります。
特に人前や公共の場では、自分の行動を過度に意識してしまい、慢性的な不安状態に陥ることもあります。
アンケートでも、実際に以下のような声が寄せられました。
「周囲の目が気になったり、被害妄想をしてしまう事があります」
「他人に対して常に嫌われていないか敏感になってしまう」
他人の期待や評価を優先するあまり、自分の感情を押し殺してしまうと、心の余裕が奪われていきます。
その結果、自律神経が乱れやすくなり、パニック障害の発症リスクが高まります。
感受性が高く、ストレスを感じやすい
感受性が高い人は、パニック障害を発症しやすい傾向があります。
周囲の変化や他人の感情に敏感に反応するため、些細な刺激でも強いストレスとして受け取りやすく、知らず知らずのうちに心に負荷を溜め込んでしまうのです。
「私は神経質な性格で人混みが苦手です。医師からも繊細すぎて、ストレスが溜まりやすい傾向にあると言われました」
「自分よりも他人を優先することが多く、常に家族や仕事のために尽力していたため、ストレスを感じてもそれをうまく表に出さずに我慢していました」
こうした状態が長く続くと、心の緊張が限界に達し、ある日突然パニック発作として現れることもあります。
睡眠不足や疲労が蓄積している
パニック障害は心の不調と捉えられがちですが、身体のコンディションも密接に関係しています。
特に睡眠不足や慢性的な疲労は、自律神経のバランスを崩しやすく、発作の引き金になりやすい要因の一つです。
「慢性的な寝不足が続いていた頃、初めての発作が起きました。あとから思うと、体がずっと緊張状態だったんだと思います」
心と体の疲れが積み重なることで、無意識のうちにパニック障害のリスクが高まっている場合があります。
うつ病になったことがある
過去にうつ病を経験したことがある人は、パニック障害を発症しやすい傾向があります。
この2つの疾患は無関係ではなく、神経伝達物質の乱れやストレスへの感受性の高さなど、共通した要因を持つことから併発しやすいとされています。
実際に、医療機関や専門家の解説でも、「パニック障害の50%以上が経過中にうつ病を併発する」といった報告があり、両者の関連性は非常に深いといえるでしょう。
うつ病の症状が落ち着いたとしても、脳内の神経伝達物質のバランスは一度崩れると回復に時間がかかるため、再び精神的ストレスを感じたときにパニック発作として現れることがあります。
パニック障害になりやすい性別:女性に多い傾向

パニック障害は、男性よりも女性に多く見られる傾向があります。厚生労働省や複数の臨床報告によると、発症率は女性が男性の2〜3倍ともいわれており、性別によって違いがあるのが特徴です。
女性の発症率が多い要因としては以下のような点が挙げられます。
- ホルモンバランスの変動
生理、妊娠・出産、更年期などのライフイベントにより、心身のバランスが乱れやすい。 - 複数の役割を同時に担う負荷
仕事に加えて、家事、育児、介護などを同時にこなす場面が多く、精神的・身体的ストレスが重なりやすい。
もちろん、男性でも発症することはありますが、女性はホルモンの影響やライフスタイルの変化が大きく、心と体のバランスが崩れやすいタイミングが多いため、特に注意が必要です。
パニック障害になりやすい年代:20〜30代がピーク

パニック障害は、10代後半から30代にかけて発症しやすい傾向があります。
中でも20〜30代は、進学・就職・結婚・育児など、人生の大きな転機やプレッシャーが重なる時期であり、より心身のストレスが蓄積しやすい年代です。
この時期は自律神経が敏感に反応しやすいため、過度な不安や緊張がパニック発作の引き金になることもあります。
ただし、年齢にかかわらず誰にでも起こりうる疾患であるため、どの年代でも注意は必要です。
パニック障害の原因は?3つの要素

パニック障害は、脳の働きやストレス環境、遺伝体質など、複数の要因が重なって発症すると考えられています。
1.生物学的な要因:脳内バランスの乱れ
パニック障害は、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることで発症しやすくなるとされています。
特に関係が深いのが「セロトニン」や「ノルアドレナリン」と呼ばれる物質です。
物質名 | 主な働き | 不調時の影響 |
---|---|---|
セロトニン | 心の安定を保つ | 不足すると不安感が高まりやすい |
ノルアドレナリン | 危険を察知して体を活性化させる | 過剰だと動悸や息苦しさを引き起こす |
こうした物質のバランスの乱れから、理由のない不安や突然の発作が現れることがあるのです。
2.環境要因:ストレスの多い生活や過去のトラウマ
日常的なストレスや過去のつらい経験も、パニック障害の大きな引き金になります。
たとえば、下記のような強いストレスや過去のトラウマなど、心が休まらない環境から緊張が高まり、パニック発作を引き起こすきっかけになることがあります。
- 職場での人間関係トラブル
- 家庭内の不和や育児ストレス
- 過去の事故・災害・いじめ・虐待などのトラウマ
外からは見えにくくても、心に残った負担が発作のきっかけになることがあります。
3.体質的な要因:家族の既往歴などの遺伝
パニック障害には、遺伝的な体質が関係している可能性もあります。
親や兄弟など、近い血縁者にパニック障害やうつ病、不安障害の既往がある場合、同じような症状を発症しやすい傾向があると報告されています。
これは、性格の特徴やストレスへの反応が似ることに加えて、脳内の神経伝達の仕組み自体にも共通点があると考えられているためです。
ただし、遺伝はあくまで一因であり、環境や思考のクセ、日々の過ごし方によって、発症の有無や程度は大きく変わります。
パニック障害の症状は?当てはまるかセルフチェックをしよう

パニック障害にはいくつかの代表的な症状があります。当てはまる項目がないか、セルフチェックしてみてください。
パニック発作:突然の動悸や息苦しさなどの身体症状
「パニック発作」は、パニック障害の代表的な症状で、何の前触れもなく、激しい動悸や息苦しさなどの身体反応が突発的にあらわれるのが特徴です。
具体的には、以下のような症状が急に起こる場合があります。複数当てはまる場合やこれらの症状が繰り返し起こる場合、パニック障害の可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。
セルフチェック:あなたに当てはまる症状はありますか?
- 胸がドキドキして心拍が速くなる
- 息苦しさや圧迫感を感じる
- 手足が震えたり汗をかく
- めまいやふらつきを感じる
- 吐き気や腹部の不快感がある
- 「死ぬかもしれない」と強い恐怖を感じる
実際にパニック障害を経験した方やその知人の方も、息苦しさや強い恐怖感を感じたという声が多くありました。
「突然、息が苦しくなり、心臓がバクバクして「このまま倒れるかも」と思うほどの恐怖感に襲われました」
「居ても立っても居られない症状と共に、苦しくて死んでしまうかと思ったと言っていました」
予期不安:また発作が起きるのではという強い不安
「予期不安」とは、発作を経験したあとに「また同じようなことが起きるのでは」と強い不安を抱く状態を指します。
不安がストレスとなり、かえって新たな発作を引き起こしてしまう悪循環に陥るケースも少なくありません。
予期不安が悪化すると、外出を控えたり、人との接触を避けるようになり、行動範囲が徐々に狭まっていく傾向が見られます。
発作への不安を一人で抱え込まず、医療機関や周りの支援を頼ることが大切です。
広場恐怖:発作を恐れて場所を避ける行動
「広場恐怖」は、「また発作が起きたら逃げられないのでは」という予期不安から「そこへ行けない」「その場にいるのが怖い」と特定の場所や状況を避けるようになる行動のことを指します。
以下のように、その場をすぐに離れられない状況に強い恐怖を感じるケースがよく見られます。
状況/場所 | なぜ避ける? |
---|---|
電車・バス | 降りられない、途中で逃げられない |
エレベーター | 密閉空間、外に出られない |
会議・授業中 | 静かにしなければならず、抜けにくい |
人混み(イベント・街中) | 視線が気になる、逃げ場がないと感じる |
広場恐怖を放置すると、通学や通勤が困難になることもあるため、早めに医療機関へ相談するようにしましょう。
その他のパニック障害の症状については別記事で詳しく解説しています。
パニック障害の症状が出たらどうする?具体的な対処法

パニック発作が起きたときは、焦らず落ち着いて対処することが大切です。
すぐに実践できる対処法や予防につながる工夫をご紹介します。
ゆっくり深呼吸する
パニック発作が起きたときは、まず「ゆっくり深呼吸」することが最も基本的な対処法の一つです。
発作中は呼吸が浅くなりがちで、酸素を多く取り込もうと過呼吸になることで、さらに不安や動悸が悪化してしまいます。そこで、以下のように呼吸を整えてみるのがおすすめです。
おすすめの呼吸法
- 鼻から4秒かけてゆっくり吸う
- 口をすぼめて6秒かけてゆっくり吐く
- これを1~2分ほど繰り返す
息を吐く時間を長くすることで副交感神経が優位になり、体と心が少しずつ落ち着いていきます。
パニック発作を経験した方へのアンケートでも、呼吸を意識して対処しているという声が多くありました。
「できるだけリラックスした姿勢で、吐く息を長めに意識しています」
「深呼吸しながら『大丈夫』と心の中で繰り返し、静かな場所で落ち着くようにしています」
「特に腹式呼吸を意識して深呼吸を行います」
自分の呼吸に集中することで、少しずつ不安から意識を遠ざけられます。
注意を他のことに向ける
パニック発作時は思考が恐怖に支配されやすいため、意識を一時的に別の対象に向けることで、緊張がやわらぎやすくなります。具体的には、触覚や視覚などの五感を刺激する方法が有効です。
おすすめの意識をそらす対処法
- 手のひらにあるシワを1本ずつ数える
- 外にある色を「赤」「青」「白」など順番に探す
- 頭の中で100から3ずつ引いていく(100→97→94…)
すぐにできて道具も不要なので、外出先などでも試しやすい対処法です。また、アンケートではパニック発作の対処法について、その他の方法も挙げられました。
「ミント系の飴を食べたり、スマートフォンでのゲームで気を逸らすようにしています」
「街中の看板を読んだり、人の服装に注目して気を逸らします」
「冷たいものに触れるなど、身体感覚を取り戻す工夫をします」
一時的に「不安や恐怖への思考」を止めることで、過剰な不安が和らぎやすくなります。
生活習慣を見直して改善する
パニック障害の症状は、生活習慣の乱れとも深く関係しています。
睡眠不足や栄養の偏り、運動不足が続くと、自律神経が乱れやすくなり、不安感や発作の引き金になることがあります。
見直したい生活習慣の例
- 7〜8時間の安定した睡眠をとる
- カフェインやアルコールを控える
- 軽い有酸素運動を習慣にする
- 朝日を浴びて体内時計を整える
無理のない範囲で生活リズムを整えることが、心身の安定につながります。症状が気になるときは、まず生活を整えることから始めてみましょう。
発作を誘発しやすくなる食べ物・飲み物は避ける
パニック発作は、体に刺激を与える食べ物や飲み物が引き金になることがあります。
特に注意したいのが、カフェインやアルコール、糖分の多い加工食品などです。
避けた方がよいとされるもの
- コーヒー、エナジードリンク(カフェイン)
- チョコレートや甘いお菓子(血糖値の急上昇)
- アルコール飲料(自律神経を乱しやすい)
- カップ麺やスナック菓子(塩分・添加物)
これらは交感神経を刺激し、動悸や不安感を助長することがあります。
完全にやめる必要はありませんが、日々の食生活を少し意識するだけでも、体調に良い影響が表れやすくなります。
パニック障害の治し方は?
パニック障害の治療は、薬物療法と精神療法(認知行動療法)の併用が基本です。
適切な治療で改善が見込めるため、早期の受診と継続的な治療が回復の鍵となります。
薬物療法(抗不安薬・抗うつ薬)
「薬物療法」では、主に発作時の不安や緊張を抑える「抗不安薬」と、脳内の神経伝達物質のバランスを整える「抗うつ薬(SSRIなど)」などが使用されます。
抗不安薬は即効性があり、急な発作に対応する際に有効ですが、長期使用には依存のリスクもあるため、医師の指示に従うことが重要です。一方、抗うつ薬は効果が出るまでに数週間かかりますが、継続的に飲むことで発作の予防に役立ちます。
実際にパニック障害を経験した方やその知人の方へのアンケート結果でも、多くの人が薬によって症状の改善がみられました。
「処方された薬を飲むようになってから、少しずつ落ち着いてきました」
「通院して薬を続けていると、精神的にも安心感が出てきました」
また、強い症状が出たときだけ頓服的に薬を使用して対処をする場合もあります。
「症状が強いときに薬を飲んでいます。薬を飲むと、精神的な安心感も出て、体調がよくなると感じます」
精神療法(カウンセリング、認知行動療法)
「精神療法」は、薬に頼るだけでなく、考え方のクセや、不安を感じたときの反応を見直すことによって症状を改善していく治療法です。
中でも広く行われているのが「認知行動療法(CBT)」です。これは、「また発作が起きるかも」といった不安な考え方に気づき、それを現実的で前向きな思考に修正していく方法です。
「定期的にカウンセリングを受けており、認知行動療法を取り入れて、自分の思考パターンを見直すことが効果的だったと感じています」
「友人は現在も治療を続けており、認知行動療法やリラクゼーションを取り入れながら、少しずつ回復してきているようです」
また「カウンセリング」では、自分の気持ちを整理しながら専門家と対話できるため、治療の進め方に合わせた具体的なアドバイスやサポートが得られます。
このように精神療法は、パニック障害の根本的な不安の仕組みにアプローチし、再発を防ぎながら自己理解と対処力を高める手段として有効です。
パニック障害の人との接し方は?家族や友人、同僚への対応

ここからは、パニック障害の人に「言ってはいけない言葉」や「安心感を与える言葉」について紹介します。
すべての人に同じ対応が合うわけではないため、事前に本人の希望を確認することも重要です。
言ってはいけない言葉や接し方
パニック障害の人に対して、悪気なくかけた一言が、心を深く傷つけてしまうことがあります。特に、つらさや不安を否定したり軽視するような言葉は避けるべきです。
避けたい言葉の例
- 「気の持ちようだよ」
- 「また発作?しっかりしてよ」
- 「甘えてるだけじゃないの?」
- 「落ち着いてって言ってるでしょ」
パニック発作は、本人の意思ではコントロールできない症状です。こうした言葉は、「理解してもらえない」「つらさを否定された」と感じさせ、さらに不安や孤独感を強めてしまいます。
パニック障害の経験者からは、「心がけてほしいこと」として以下のような声がありました。
「つらい気持ちをわかってあげる、大丈夫だと安心させてあげること。過度に大騒ぎされるのは一番つらいので、そっと寄り添ってほしい」
励ますつもりでも、無理に正そうとするのではなく、まずは相手の不安をそのまま受け止める姿勢が何よりも大切です。
安心感を与える言葉や接し方
パニック障害の方には、不安な気持ちを受け止めるような声かけが安心につながります。大切なのは、「治そう」とする姿勢より、「そばにいるよ」という安心できる言葉を伝えることです。
安心感を与える言葉の例
- 「大丈夫、ここにいるからね」
- 「ゆっくりでいいよ」
- 「つらいよね。無理しないで」
- 「話したくなったら、いつでも聞くよ」
無理に会話を続けたり、元気づけようとせず、相手のペースを尊重することが信頼感につながります。
他にも、パニック障害の経験者から以下のような声がありました。
「何も言わず、何もせず、近くにいて欲しい」
「『何かあったら連絡してね』くらいのスタンスで接してもらうことがいちばん負担にならず、ありがたかったです」
表情や声のトーンにも気を配りながら、そっと寄り添う姿勢が何よりも心強い支えになります。
パニック障害を放置するリスクと受診のタイミング
パニック障害は、放置していると症状が慢性化し、生活への影響がどんどん大きくなる恐れがあります。
最初は一時的な不安や動悸だったとしても、繰り返すうちに「外に出られない」「人と会うのが怖い」といった広場恐怖や予期不安へと発展し、仕事や人間関係に支障をきたすこともあるでしょう。
また、不安を一人で抱え続けることで、うつ病などの他のメンタル疾患を併発するリスクも高まります。
こうした悪循環を防ぐためにも、以下のようなタイミングで、医療機関へ相談してみることをおすすめします。
- 動悸や息苦しさなどの身体症状が繰り返し起こる
- 不安が強く、日常生活に支障が出始めている
- 発作が怖くて、外出や人との関わりを避けるようになってきた
- 「このままで大丈夫かな」と感じることが増えてきた
パニック障害についてのよくある質問

パニック障害に関して多くの方が感じる疑問を、わかりやすくQ&A形式で解説します。
パニック障害と不安障害の違いは?
パニック障害と不安障害は混同されがちですが、症状や原因に明確な違いがあります。
パニック障害は、動悸や息苦しさ、めまいなどの発作が突然起こり、「また発作が起きるかも」と不安が強まるのが特徴です。
一方、不安障害は「人前で話すのが怖い(社交不安障害)」や「将来が不安で眠れない(全般性不安障害)」など、特定の状況や対象に対して長期的な不安が続くのが特徴です。
どちらも心と体に大きな負担をかけるため、自己判断で済ませようとせず、専門の医療機関で適切な診断を受けることが重要になります。
明るい人でもパニック障害になる?
パニック障害は、内向的な人だけに起こるものではなく、普段は明るく元気にふるまっている人でも発症する可能性があります。
一見ポジティブに見える人でも、無理をして周囲に合わせていたり、人に弱みを見せずにがんばり続けていて、心に負担をかけてしまうことがあります。
「自分は明るいから大丈夫」と思っていても、症状が出ている場合は早めに対処することが大切です。性格に関係なく誰でもなりうる疾患であることを知っておきましょう。
パニック障害の初期症状なら、自然治癒で治る?
軽い症状であれば、一時的におさまることもありますが、自然に完全に治るケースは多くありません。
パニック障害は、最初は軽い動悸や息苦しさから始まることが多く、放置すると発作の頻度が増えたり、予期不安や回避行動が強まるリスクがあります。
一度症状が落ち着いても、ストレスや環境の変化で再発する可能性もあるため、軽い症状のうちに正しい対応をとることが大切です。
「そのうち治る」と思わず、不安を感じたら早めに行動しましょう。
パニック障害の完治にはどれくらいかかる?再発しやすい?
パニック障害の回復期間は個人差がありますが、治療を始めてから半年〜1年程度で発作が落ち着くことが多いとされています。
ただし、再発しやすい病気でもあり、治療を自己判断で中断したり、ストレスの多い環境や生活習慣が改善されないままでは、再び発作が起こるリスクが高まるでしょう。
焦らず無理をせず、医師と相談しながら段階的に回復を目指す姿勢が大切です。
不安な症状が出ているなら、早めに医療機関へ相談を
「ただの緊張かも」「気のせいかもしれない」と思っていても、動悸や息苦しさ、不安感が繰り返されるなら、早めに専門の医療機関へ相談してみましょう。
パニック障害は誰にでも起こりうる心の不調で、適切な治療を受ければ改善が見込めます。初期のうちに対応することで、症状の悪化や再発のリスクを抑えられます。
不安や違和感を感じたときは、一人で抱え込まず、早めに行動することが回復への近道です。