うつ病の治療法

うつ病になったら

2020年2月27日

うつ病

 

自分や家族がうつ病と診断されたとき、信じたくない気持ちなどもあり、受け入れるのを難しく感じたりする方がいます。

その反対に、今までの体調の悪さの原因がわかり、うつ病に合った薬などが出してもらえると思い安堵される方もいます。

うつ病と診断されたときどうすれば良いのかここで紹介しましょう。

 

「焦らないことが大切」

うつ病になると、この状態が一生つづくのかと絶望的になったりしますが、うつ病はきちんと治療すれば治る病気です。

しかし、うつ病はすぐ治る病気ではありません。良くなったり悪くなったりを繰り返し、少しずつよくなっていきます。

仕事などで他人に迷惑をかけてしまう…。などの気持ちからあせり早期に社会復帰をしてしまう方もいます。

しかし、うつ病は再発しやすい病気です。あせって無理をすると、病気が長引いて治りにくくなってしまい、初発の時よりも時間がかかってしまいますのであせりは禁物です。

“うつ病はちゃんと治療をすれば必ず治る”と自分に言い聞かせ、気長に治療に取り組むことが大切です。

 

「病気だと認識する」

うつ病は人によって出る症状が違いますが、症状がどうであろうと、“病気”であることに変わりはありません。病気だから治療をすると考えるとよいでしょう。

うつ病になると、気分が落ち込んだり、何もやる気が起きなかったり、睡眠障害がでたりしますが、それは病気のせいなのです。

自己判断で気の持ちようと思い、気力で何とかしようと頑張っても、どうすることも出来ず、ますます病気が重くなってしまいます。何とかしなければと頑張る必要はありません。

病気のせいだという認識を持ち無理せずにゆっくり休養することが大切なのです。

 

「自分を責めないこと」

うつ病になると、自分は情けないとか、ダメな人間だなどと自分を責める人がいます。

また真面目な性格の方がかかりやすいと言われているため、うつ病になってしまったことで、自責の念に駆られる方も多くいます。

しかし現代では100万人近くのうつ病患者さんがいるといわれ、だれでもうつ病になる可能性があるのです。

一生のうちに、約10人に1人がうつ病にかかるとも言われています。ですから、うつ病になった自分を責める必要はまったくありません。

うつ病という病気にたまたま自分がかかってしまった、神様が自分に休む時間をくれた。と気楽に考えるようにしましょう。

 

「何でも自分1人でやろうとしない」

うつ病になる人は、責任感が強い人が多く、真面目で、仕事熱心な几帳面、正義感も強く、頼まれると断ることが出来ない、人との争いごとを嫌う平和主義、何でも自分でやろうとして人にあまり頼りたがらない性格の人が多いのです。

うつ病の治療において、休養をとることは不可欠ですので、心も体もゆっくり休めることが重要です。

治療を受けている間は、仕事や家庭でのこと等は遠慮なく家族や友人、同僚たちに援助をお願いして、ゆっくり休養し治療に専念することが大切です。

 

「医師と信頼関係を築く」

うつ病の治療において、医師との間に信頼関係があるかどうかは、非常に重要なポイントです。

うつ病は、薬を飲んだからといって治るわけではありません。それはうつ病の症状が体とココロの両方に出るようにココロの治療もとても大切だからです。

医師と患者さんが一緒になって治療を進めていくことが大切なのです。医師との何気ない会話も、治療の一つといっていいほど重要なのです。

ちょっとした、生活の変化や体の症状、気持ちの浮き沈みなど、細かなことを医師に話すことにより、医師は患者さんの状態を適切に判断することが出来ます。

信頼関係はすぐ築けるものではないので、何回か通いながら少しずつ医師との信頼関係を築いていきましょう。

 

「医師の指示をしっかりと守る」

医師は各患者さんを診察し、その諸症状により適切な薬の種類や量を出しています。自己判断で増やしたり、勝手にやめてしまったりすることは絶対にやってはいけません。

医師と患者さんとの信頼関係は、薬の治療に深い影響があります。何でも話せる医師との関係が、薬を飲み続けることに結びついていれば、それは治療上大変よいことです。

医師は患者さんが、どうして薬を減らしたいのか、やめたいのかその気持ちも知りたいと思っていますし、どうしたら患者さんが薬をちゃんと飲み続けてくれるのかを考えながら処方してくれます。

勝手に飲む量を変えてしまうと、症状が悪化したり、病気が長引いてしまう危険もあるのです。

治療をスムーズに進めるためには、医師の指示をしっかり守ることは当然ですが、医師に自分の症状や気持ちをしっかりと伝えることも大切です。

 

「家族の協力も不可欠」

家族から突然うつ病だと診断されたといわれたら、とても驚き、ショックを受け動揺するものです。しかし家族の不安な状態は、患者さんの精神状態にも悪影響を及ぼします。

冷静に患者さんの話を聞き、理解を示し、ゆっくりと休養がとれるよう協力しましょう。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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