うつ病の改善方法

ストレスをためない規則正しい生活を

2020年2月26日

ストレスをためないように睡眠

 

ストレスに対する抵抗力を高めるためには、規則正しい生活を送ることが大切です。

その中でも、食事と睡眠はとても重要です。うつ病の患者さんは、食欲不振の症状があらわれますが、食事はできるだけ1日3食決まった時間にとることが、生活リズムをととのえるためにも大切です。特に朝食は、脳を活性化させるためにも重要です。

 

「朝食は重要!」

朝は何も食べたくないからコーヒーだけという人もいますが、朝食は生活のリズムを整えるためにも大切ですので必ず取りましょう。

朝食を取ることにより代謝が活発になり、体温が上がり、脳や体が活性化します。朝食には、ごはんやパンなどの炭水化物(糖質)を取るようにしましょう。

なぜなら脳は、ブドウ糖を栄養源としていますので、朝食を抜くと脳が働かない原因となります。

ただし、健康を維持するためには栄養が偏らないようバランスよく食事をとることも大切です。

和食は、いろんな種類の食品をまんべんなくとることができる点でもおすすめです。

 

 

「栄養のバランスがよい食事を」

日々の食事で思考力や判断力に違いが出てきます。

判断力や思考、認知能力に関わる“セロトニン”や、モチベーションや集中力に関わる“ドーパミン”といった神経伝達物質が脳細胞で合成されますが、この物質は、食事から得られる栄養が原材料となり作られます。

また睡眠中には脳から成長ホルモンが出て、体組織のメンテナンスが行われることで疲れが回復しますが、この成長ホルモンも食事から摂取する栄養で合成されています。

脳細胞に栄養をきちんと送れば、仕事や勉強に必要な思考力、判断力といった知的能力や、体力や行動力が養うことが出来ます。

コンビニ弁当やカップ麺などで栄養の偏った食事を続けている人は、一度食生活を見直してはいかがでしょうか?

 

 

「食の3グループのバランスが大切」

心や体を健康的に保つためには、次の3グループの食品が必要です。小学校の時に3色に色分けをして栄養バランスを覚えたと思いますが、この3グループのバランスがとても大切なのです。

 

赤グループ…たんぱく質

肉、魚、卵などの動物性たんぱく質と大豆を原料とした豆腐、納豆などの植物性たんぱく質、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品

赤グループの食品は、筋肉、骨だけでなく、体を構成する臓器や細胞をつくるのに必要な栄養素。

 

黄グループ…炭水化物、脂質

炭水化物では、ご飯やパン、麺類、シリアル、イモ類、コーンなど

脂質では、サラダ油、バター、オリーブオイルなど

また、生クリーム、練乳などは乳製品ですが脂質、糖質ともに多いので黄グループになります。

黄グループの食品は、脳や体を動かすエネルギー源となります。

 

緑グループ…ビタミン・ミネラル類

野菜や海藻など

緑グループの食品は、赤や黄グループの食品が、胃腸で消化され様々な過程を経て栄養素に変化するのを助け体の調子を整える栄養素。

ビタミン・ミネラル類がないと食品が栄養素の形まで分解されて吸収できないどころか、エネルギーにも変換することが出来ない。

この3食の栄養をバランスよくとることにより、自律神経やホルモンのバランスを整えます。

 

 

「気をつけたい嗜好品」

食事の他に気をつけたいのが、アルコールやタバコなどの嗜好品です。

アルコールには、ゆううつな気分をやわらげる作用がありますが、大量の飲酒は症状を悪化させる可能性があるので要注意です。

抗うつ薬による薬物療法にも悪影響を与えることがあるので、うつ病の治療中は禁酒しましょう。またタバコのニコチンには抗不安作用がありますが、その作用時間は短く、その後は不安感が強くなることがあるので控えましょう。

 

 

「質のよい睡眠をとりましょう」

ストレスをため込みむと、不眠になりがちです。不眠は心身に悪影響をあたえ、眠れない、眠りの質が悪いことがまたストレスになります。うつ病の治療において、質のよい睡眠をとることは必要不可欠です。

質のよい睡眠をとるためのポイントをあげてみます。

 

  • 毎日決まった時間に起きる
  • 朝起きたら太陽の光を十分に浴びる
  • 寝る前の夜食やアルコール、タバコは控える
  • 寝室を眠りに最適な環境にしておく(室温、湿度、明るさ)
  • 寝る前に音楽を聴く、アロマなどでリラックスする
  • 夜は無理に眠ろうとせず、自然に眠りがくるのを待つ
  • 寝る前にパソコンやスマホ、テレビなどを見ない

これらのポイントを参考にして、質のよい睡眠をとるように心がけましょう。ただし、どうしても眠れない場合は、医師に相談してみましょう。

栄養バランスのとれた食事と質のよい睡眠をとることで、規則正しい生活を送り、ストレスに対する抵抗力を高めましょう。

 

記事監修・佐藤典宏(医師)
1968年・福岡県生まれ。
1993年・九州大学医学部卒業後、研修医を経て九州大学大学院へ入学。 学位(医学博士)を取得後、米国ジョンズホプキンス医科大学に5年間留学。現在は福岡県内の病院で、診察と研究を行っている現役医師。メディカルサプリメントアドバイザー資格

 

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